温度差発電とは、温水(約25〜80℃)と冷水(約5〜20℃)のわずかな温度差(15℃以上)で発電する画期的な発電システムです。
温水には海の表層水(約25℃〜30℃)や温泉水・工場温排水・船舶のエンジン冷却水の排水(いずれも約60〜80℃)等が利用できます。
特に、海水を熱源とする温度差発電は海洋温度差発電(OTEC:Ocean Thermal Energy Conversion)と呼ばれ、排出CO2ゼロで、きわめて自然にやさしい発電システムとして、地球温暖化防止とエネルギー創出という2つの大きな課題を解決する切り札として世界から熱い注目を浴びています。
現在の火力発電が世界的なCO2排出問題で増設が困難な状況にあり、その代替方策として期待されていた原子力発電がその安全神話が崩れてしまった今、自然エネルギーを利用した発電システムへの眼差しは日増しに熱くなってきています。
しかし現在脚光を浴びている風力・太陽光発電は、連続運転・安定性の面でいずれも解決できる術を見出せず、エネルギー源の本流にはなり得ない状況にあります。その点、温度差発電は海水を熱源としていることで常時発電が可能であり、100MW級のシステムになると、発電原価も原子力発電とまったく遜色のない価格になるというインド政府の試算もあります。
以上のことより、OTECは将来のエネルギー供給源の大きな柱になる可能性が極めて高い商品であると言えます。
また、OTECでは冷水に深度800〜1000mの深層水をくみ上げて使用するため、その深層水からミネラル豊富な塩、水、リチウムなど価値の高い希少物質の採取・利用およびそれを海表面に撒くことによっての漁場育成(食糧増産)、温暖化対策等の付加価値まで考えたポテンシャルは計り知れないものがあります。
海洋温度差発電は、以下のような特徴を有しています。
1.クリーンで再生可能なエネルギー
海洋温度差発電は、クリーンで再生可能な海水のみをエネルギー源としています。
2.多量なエネルギー
海洋温度差発電の建設可能な国は98カ国に及び、1兆KWの発電が可能であると見込まれています。
3.安定したエネルギー
海洋温度差発電は、年間を通じて安定した電力供給が可能になります。これは、風力発電や太陽光発電などの自然エネルギーを利用した発電では天候に左右されて連続運転が困難であることに比べ、際立った特長です。
4.地球環境問題に貢献
海洋温度差発電は、CO
2の排出が他に比べ極めて少ない発電方式です(CO
2排出源単位:0.014Kg-CO
2/kWh)。
また、海洋温度差発電で用いた深層海水は、サンゴや海藻類を増殖するので、CO
2を固定化することができます。