(記事一部抜粋)
神戸製鋼は、インド政府が計画する世界初のチタンプレートによる海水温度差発電プロジェクトの熱交換機(1000キロワット)向けチタン3900平方メートルを、スウエーデンのアルファ・ラバル社から受注、6月末に納入する。
この熱交換機は、チタンプレートを積み重ねた高効率省スペース方式で、海水温度差発電としての実用化は世界でも例がない。今回の実証試験が成功すれば、インド政府は今後、2万5000キロワットの実用機を約1000カ所に建設する計画で、神鋼はこのプロジェクトに対応して、チタンの継続納入をアルファ・ラバル社に働きかけていく方針。
今回の実証プロジェクトは、インド政府が約10億円を投じて原子力発電から環境負荷の少ない海水温度差発電への転換を狙うもの。海水温度差発電としては、例がない1000キロワットのプレート式蒸発機4基をマドラスの東方の沖合20キロメートルに船を浮かべて実証試験を行う。
チタンプレートを積み重ねたアンモニアガスと海水を利用する2層式の熱交換機で、従来式のセルアンドチューブ方式などに比べて省スペースで効率アップが狙える。今回の実証プラントの設計では、海水温度を表層28度C、深層8度C(深さ800メートル)に設定しており、この温度差を利用して発電する。
プロジェクトは今月末にはスタートする予定で、来年4月に発電プラントを納入し、10月に発電プラントを本格稼動させる。
海洋温度差発電については、97年2月に具体的なプロジェクトが持ち上がり、9月に海洋開発省、インド国立海洋技術研究所と佐賀大学(上原春男理工学部長)とが共同開発にサインした。インド政府の依頼を受け、OTEC(海洋温度差発電)の技術アドバイスを佐賀大学が担当し、里見産業(本社=兵庫県明石市、里見公直社長)が全権を委任されている。入札は昨年11月に行われ、三井物産、里見産業とのJVが受注し、熱交換機に関してアルファ・ラバル社に発注している。
このプロジェクトが成功すれば、インドのほか、台湾など海水温度差発電を計画している各国でも、一気に広がりを見せるものとみられ、新日本製鉄を含めてチタンメーカーの売り込みが活発化しそう。



