(記事一部抜粋)
【佐賀】海洋温度差発電(OTEC)の実用化に道を開く世界初の1000キロワット実証プラントが2000年10月に稼動する。佐賀大学理工学部の上原春男教授らとインド国立海洋技術研究所(ラビンドラン所長)が共同でインド洋上に設置するもので、大型火力発電並みの発電単価を実現するのが目的。29日から佐賀県伊万里市で始まる国際会議「IOA99」でラビンドラン教授が発表する。
OTECは、海洋の表層部と深層部の温度差として存在する熱エネルギーを取り出す発電システム。計画によると、2000年10月に1メガワット実証プラントでの試験を開始し、03年にも10-25メガワット規模の商用プラントを建設、10年までには、100メガワットプラントの建設を目指す。
インド政府によると、インドでのOTEC発電能力は18万メガワットに上るとしており、将来25メガワット規模の商用プラント1000基の建設を計画している。
佐賀大は25年前から研究に着手し、94年には熱効率が飛躍的に向上する上原サイクルを考案した。その技術は世界のトップ水準にあるものの、実用化には1メガワット級の実証プラントでの検証が不可欠と指摘されている。
こうした中、自然エネルギーの推進に積極的なインド政府が佐賀大の技術に注目して共同研究を始め、昨年末に国際入札を実施して商用プラント建設を目的とした1メガワットの実証プラント建設が動き出していた。
国際入札仕様によると建設費は約7億円で、1キロワット時当たりの発電単価は火力発電並みの20・8円(1ドル=110円換算)。また25メガワットでは、原子力発電並みの9・02円、50メガワットで8・69円、100メガワットで7・48円と、上原教授らの試算に近い数値だという。上原教授は、「これで実用化に弾みがつく」と期待している。



