(記事一部抜粋)
「南緯40度から北緯40度の間はどこでも適地。実用化で、人類が抱えている諸問題解決に役立ちます。」佐賀大で海洋温度差発電の実験を始めて約30年。これまでの研究成果を熱っぽく説明する。
発電の元は、海洋表層の20〜30度の温水と、深層の2〜6度の冷水の温度差。温水で温めて蒸気にしたアンモニアで発電機を回し、その蒸気を冷却して液体に戻す作業を繰り返す。より効率的な「ウエハラサイクル」で、国内外の特許も取った。
発電時に燃焼を伴わないため、二酸化炭素排出量を抑えられ、深層海水を表面にまくことで藻類や貝類も成長する。食糧問題解消にも役立つ。深層海水は冷熱源としても利用可能。発電の過程で多量の水も取り出せ、飲料水ともなる。夢のような話だ。
学会で発表した1974年ごろには、相手にもされなかった。「たとえ自分の代で実現しなくとも、真剣に取り組まないと人類は危機に陥る。研究する決心を固めていました。」地球環境問題がクローズアップされ、約10年前から流れは変わった。
独自に五つの原理からなる「成長の原理」を作り、本格的な立ち上げは2000年と予想していた。くしくも「ノウハウを全部提供した」というインドが今年10月、1000キロワットの実証プラントの運転を始める。東南アジア、中南米など約50カ国から問い合わせが来ているという。
「22世紀に人類が存在するためにも、21世紀は日本が中心となって、クリーンで再生可能なエネルギーを提供するべきだ。その中核が海洋温度差発電と確信しています」と普及≠ノ情熱を燃やす。【宮本勝行】



