日本の環境技術である海洋温度差発電技術が脚光を浴びている。
燃料を使わなくても、15〜30度の温度差があれば、熱エネルギーを電気に変える次世代型クリーンエネルギー技術で、
いち早く、その技術を確立したベンチャー企業、ゼネシス(東京都目黒区、里見公直社長)は、2月中にもサウジアラビアの大手財閥ジャムジュンと
合弁会社を設立し、事業を本格化させる計画だ。
サウジをはじめ、クウェートやバーレーンなど中東諸国では、飲料水などを得るために豊富な石油資源を活用し、
海水を蒸発させて真水を得るのが一般的。30度にのぼる温排水が海水温を上昇させ、
海洋生物が死んでしまうといった環境問題が深刻化している。その解決法として、温排水の持つ熱エネルギーを使用した温度差発電が注目された。
里見社長は、「中東での発電プラントの需要は、サウジだけで50〜60ヵ所あり、事業規模は1ヵ所数千億円になる」
と、潜在的市場の大きさを強調する。脱原発を掲げるインドでも、国家プロジェクトとして出力5万キロワットの海洋温度差発電プラントを1000基建設する予定だ。
今後は、インド洋のスリランカ、モルディブ、太平洋のパラオなどでの導入も期待できるという。
一方、国内でも工業地帯などで温度差発電導入の機運が高まりつつある。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が
2003年度に温排水の有効活用を進めるために、温度差発電による省エネ事業に補助金をつけることを決めたからだ。
今度、国内でも石油コンビナートや化学メーカーなどでの積極的な利用が見込まれるようになる。



