(記事一部抜粋)
インド政府が海洋の温度差を利用した発電に取り組んでいる。スリランカを臨む35kmの沖合いに出力1000kWの海洋温度差発電の実証プラントを建設し、
まもなく本格稼働に入る予定だ。これがうまくいけば今後、5万kWのプラントを1000基建設する計画を持っている。
インド政府に依頼され、1000kWの実証プラントを技術支援したのが佐賀大学だ。
同大・海洋エネルギーセンターの上原春男教授が開発した「ウエハラサイクル」という海洋温度差発電の技術を供与した。
上原教授はアンモニアと水の蒸気を液体に戻す凝縮器に独自の工夫を加え、熱交換器に伝熱効率に優れた
プレート式を導入するなど、効率の改善で成果を上げた。
その将来性にいち早く気づいて、三顧の礼で技術ライセンスを取得し、
事業化に乗り出したのがゼネシスだ。酒造装置の販売会社を経営していた里見公直社長が、上原教授の技術にほれ込み、
「生涯の半生を夢のある事業にかけたい」と新会社を起した。
既に同社と佐賀大学は2001年4月にパラオ政府と技術協力で覚書を結んだ。
3000kW級の発電プラントの建設を皮切りに、今後10年間で国内のディーゼル発電を海洋温度差発電に切り替える計画という。
ゼネシスは海洋温度差発電と並んで、工場などの温排水を利用した温度差発電の事業化も目指している。
今年2月、ゼネシスはサウジアラビアの大手財閥ジャムジュンと合弁会社、ゼネシス・アラビアを設立した。
国内でも計画が進んでいる。千葉コンビナートでは、住友科学工業と富士石油の工場から出る排水を利用した出力3000kWの
温度差発電の計画が進んでいる。省エネ効果は年間で1万キロリットルの原油に相当する。
ゼネシスは千代田化工建設と協力して、その技術開発を担っている。
「工場の多い日本は”廃熱列島”でもある。温度差を十分に生かし切れば原子力に匹敵する発電量も可能」
と、里見社長は意気込む。



