(記事一部抜粋)
未利用の廃熱をいかに有効活用するかが、工場の課題になっている。
従来、120℃以上の廃熱については加温工程や蒸気タービン発電機で活用してきた。
だが、それより低い温度域の廃熱については、大気に捨てるしかなかった。
そんななかAOCホールディングス傘下の富士石油は、約110℃の廃熱を使い、最大出力4000kWの発電機を回すことに成功した。
千葉県袖ヶ浦市の袖ヶ浦製油所で昨年末に運転し始めた発電設備で、
このまま順調に稼働すれば、原油換算で年間約5600klを節約し、約2億円のコスト削減になる見込みだ。
約110℃の熱で発電できた理由は、タービンを回す物質(作動流体)に火力発電で一般的な水ではなく、
アンモニア水を採用したからだ。
蒸気タービンを回すには、作動流体を高温高圧の気体にする必要がある。
1気圧で沸点100℃の水ではそのために150℃以上の熱が必要だが、
アンモニアは3〜4気圧下でも約50℃で沸騰するため、100℃前後の熱があれば、高圧蒸気になる。
実際には、アンモニアと水を適切に混合させた作動流体を使うことで、気化させてタービンを回し、
再び液体に戻る温度域を最適化している。
猪俣部長(富士石油・袖ヶ浦製油所生産技術部長)は「運転状況は予想以上に順調で、過剰な設備も多いとわかった。今後、設備費を下げられる余地は大きい」と話す。
アンモニア水を使った本格的な発電施設は、国内外でまだ数例しかない。今後、設備費用が下がる一方で、化石燃料の上昇が続けば、
投資効率が高まる可能性も大きい。



