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ウエハラサイクルについて
ウエハラサイクル
1970年代のOTECプラントではランキンサイクルと呼ばれる、媒体に純アンモニアを用いた発電方式で行なわれていました。しかし当時は熱交換器の性能が悪く、当時の技術では経済性を満足するまでには至りませんでした。
近年になり佐賀大学上原グループがアンモニア/水の混合媒体を冷媒に用いた「ウエハラサイクル」を発明、それによってランキンサイクルに比べて50〜70%サイクル熱効率が上がり、かつ熱交換器の性能の飛躍的な向上とあいまって、実用的なレベルの効率を持つ発電プラントが実現可能となりました。

ウエハラサイクルとランキンサイクルの比較表
名称
ウエハラサイクル(新サイクル)
ランキンサイクル(従来の方式)
歴史
1994年
1850年代
発明者
上原春男(日本)
Rankine(英国)
原理図

ウエハラサイクルの概念図

ランキンサイクルの概念図
作動流体
アンモニア/水の混合物質
アンモニア純物質
サイクル線図


ウエハラサイクルのエネルギー線図

ウエハラサイクルは上図のように、ランキンサイクルよりより効率良くエネルギー(赤い部分)を得ることが可能です。


ランキンサイクルのエネルギー線図
サイクル
熱効率
約5〜6%(ランキンサイクルの1.5〜2倍)
備考:温海水温度28℃、冷海水温度4℃の場合
約3%
効率上昇
要因
  • 沸騰および凝縮過程で混合液の温度が変化するため、タービンで仕事に変換できる温度差エネルギーが大きくなる。
  • タービンから出たアンモニア/水の混合蒸気を、吸収器でアンモニア/水の飽和液に吸収されることにより、タービン出口温度を凝縮器入口温度より低くできる。その結果、タービンで仕事に変換できる温度差エネルギーが大きくなる。
  • タービンの途中から蒸気を抽気して、その蒸気でタンクを出た後の作動流体を加熱することで凝縮器の負荷を低減する。
その結果、
@凝縮器の小型化
A冷海水の低減による取水管の小口径化
が可能。
正味出力

*正味出力は、発電端出力から海水ポンプと作動流体ポンプの動力を除いた利用可能な電力を示す。
約80〜85%
約55%
必要海水流量
ランキンサイクルの場合の50%程度
設備費
ランキンサイクルの場合の60〜70%程度

ウエハラサイクルフロー解説
  1. アンモニア/水の混合物質の液体が作動流体ポンプ2によって、再生器を通って蒸発器に送られる。
  2. 蒸発器には温海水ポンプによって、海洋の表層の温海水が送り込まれる。すると、アンモニア/水の液体は蒸発し、アンモニア/水の気液混相状態になる。この気液混相状態のアンモニア/水を、気液分離器でアンモニア水とアンモニア/水の蒸気に分離する。アンモニア/水の混合蒸気はタービン1に入って、そこでタービンを回転させて発電する。タービンを出た混合蒸気は一部が抽気され、加熱器に入り、残りはタービン2に入り、発電機を回して発電する。
  3. 一方、分離器で分離されたアンモニア水は、再生器を通った後、減圧弁を通って吸収器に入り、そこでタービン2より排出された混合蒸気を吸収する。そこで吸収しえない混合蒸気は凝縮器に入り、深層よりくみ上げられた冷海水によって冷却・凝縮され、液体に戻る。そして、作動流体ポンプによって加熱器を通り、再生器を通って再び蒸発器に送られる。
  4. この繰り返しを行うことで、海水のみで発電し続ける。
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